2023年度総会講演会の報告

『研究成果を社会に還元するために』

2023年度の総会講演会は日本薬理評価機構センター長の岡本摩耶先生をお招きしました。

- 講演概要

 日本薬理評価機構センター長でいらっしゃる岡本摩耶先生は、研究成果を社会に役立てるため、研究者、産業界、官公庁を結ぶお仕事をされています。研究成果をさまざまな視点から見てその利用を考え、活用できる企業や官公庁に伝える、あるいは逆に企業や官公庁からの要望に応えて研究者や成果を紹介する、という活動をされているそうです。活動の例として、イメージキャラクターを高齢者の見守りやアシスタントに使う提案や、種まき、山火事の消火、物資の輸送、山から切り出す木材の見積もりなど、上空からの撮影以外にもドローンの幅広い可能性と応用の提案など上げていただきました。

 医療の研究論文を訳し、紹介する中で、先生の使われた訳語が今も遺伝子関連の分野で使われているそうです。表だったお働きではなく、まだ周知されていないお仕事かもしれませんが、現代を象徴するような新しい分野のお仕事です。質疑応答では「新しい分野を開拓する勇気はどこから得たのですか?」という質問もでました。「なければやってみよう」と始められたという先生の勇気は、頑張れば道が開かれることを経験なさっていらっしゃった先生の自信の表れのように思われました。

 質疑応答を通して講演内容の理解が深められました。岡本先生の親しみやすい、明るいお人柄も魅力的で、にこやかにお話しくださり、奈良女子大学を飛び級で大学院にすすまれ、ハーバード大学に留学されたという超エリートの経歴で想像されるような堅苦しい雰囲気はありませんでした。

 総会で同期の方と20年ぶりに再会されて喜んでいらっしゃいました。同窓会のいいところですね。