物理学出身の笠木氏は、原爆・原発を生んだ現代物理の過去と現在を取材し、伝えるプロジェクトを2022年より展開中です。講演では、2023年10月に訪問したロスアラモスとトリニティサイトの記録映像「ロスアラモス」を拝見しました。

　科学の進歩が生んだ原爆は、知識の結晶であると同時に、破壊と悲劇をもたらした象徴でもあります。被爆者の証言、汚染物を洗ったプールなど、具体的な場所や声が、戦争の現実と被害の深さを伝えていました。また、ロスアラモスで日常を送りながら開発に関わった科学者たちの葛藤も印象的でした。

　2025年7月19日から10月19日まで、川崎市岡本太郎美術館「原爆×芸術展」で笠木氏の映像6本が上映されます。お近くにお越しの節は是非お立ち寄りください。