2021年度 公開講演会報告
講演の冒頭、川口様が、ご自分の書で掲げられたのは〝海外ボランティア~筆50本を友に各地へ~〟という副題で、この10年間に20カ国の学生や市民と交流なさった軌跡をお写真と共に拝聴いたしました。
子供の頃に始められた書道を教師としてお勤めしながら研鑽され、ご退職後にその活動の場を海外へと広げられました。きっかけは川西市国際交流協会の会員でいらして、近くの大阪大学の留学生をご自宅に招いて書道を教えられたことだそうです。そして留学生の国をはじめ、行きたい国の大使館を通して海外に行かれるようになりました。
2010年、オーストラリアのパースへ。さぁここからが川口先生の開拓精神溢れるボランティア交流の始まりです。行き先をほぼ時系列で並べましょう。
北アイルランド、ニュージーランド、マレーシア、アメリカ、ポーランド、スウェーデン、ロシア。これらが前半5年間。ある時は小学校・中学校・高校・大学で。学生が選んだ字は「友」「太陽」「侍」「夢」「平和」など。日本語を学んでいる高校生は「大志」「感謝」「生命」「忠孝」までも。またある時は大人向け教室で「愛」「鳥」の他になんと「薔薇」まで。素晴らしいですね。そして若者に好きな字「愛」を書いてもらって、それを恋人へのプレゼントにしてもらうという粋な企画もなさいました。
さて後半2016年からはブルガリア、カンボジア、サハリン、シベリア、ベトナム、タイへ。チェンマイ大学では学生が俳句に俳画も描きます。日本人も感服する作品で、これは川口様の芸術全般への造詣の深さの表れに他なりません。
現在川口様は佐保塾で書道講師をなさりながら、コロナ収束後の海外交流再開を心待ちにしておられます。
終わりに、お言葉の中で最も印象深かった一節を以下に挙げます。どうか更なるご活躍を心よりお祈り申し上げます。